おすすめ本

2016年4月 9日 (土)

“天国の鳥”

“天国の鳥”


Tengokunotori_2

以下、引用。


《ラヴェルの墓》より 第一楽章 “天国の鳥”

 この作品を鷲谷サトさんの想い出に捧げます。


鷲谷サトさんへ

 鷲谷さん、お元気でいらっしゃいますか? 
 ぼくは鷲谷さんからアイヌ民謡を教えて頂きました。一介の無名の作曲家に過ぎないぼくに鷲谷さんさんはほとんど知っていらっしゃる全ての歌を授けてくださったのではないでしょうか? それだけではありません。鷲谷さんが民謡の旋律を基に萱野茂さんの助けを得られてご自身でアイヌ語の詩を付けられた“アイヌ ネノアン アイヌ”に込められた思い(人間らしい人間として共に生きて行きたい、共に歩いて行きたい という思い)は、今の私にはこの世界の宝物と言えるくらいに輝きを放っているのです。
 ご近所の川に棲む鳥のことをいかにも愛おしそうに語られていましたね、鳥が飛び立つ時の仕草のことなどを。アイヌの踊りには鳥を模したものがありますから、鷲谷さんは、「こうした身近な所にいる鳥をよく観ることでも踊りの参考になるよ」と。
 鷲谷さんが亡くなられたことを聞いてしばらくしてからですが、ぼくは鷲谷さんはタ(踏舞と訳されるアイヌ伝承舞踊)を舞いながら鳥になって天国に昇って行かれたのだろうか と一瞬想像しました。そのようなユカㇻをぼくは知っていたからです。
 また、「侵略」について多くのこと考えさせられました。
 悲しいことに、人類は戦争という野蛮から未だに卒業できないでいます。
 日本は終戦後間もなくしてこの戦争を永遠に放棄することを誓いました。憲法はその誓いの書であり、何よりも軍国日本が侵略を犯してきたアジアの人たちへの確かな謝罪の証明でありました。アイヌ民族への侵略はもっと古くからのものでした。そして今からちょうど10年前に漸く北海道旧土人保護法が撤廃され、「アイヌ新法」が成立しました。その少し前に国会で萱野先生のアイヌ語が響いたこともまだ記憶に新しいことです。(その萱野先生も5月にお亡くなりになりました。そちらでお会いしていらっしゃるのでは...?)
 それなのに、今世紀はじめに9.11があり、米大統領の「これは新しい戦争である」という号令から、日本も完全に大きく狂ってきてしまいました。永遠の誓いも空しく、その崇高な誓いそのものを放棄しようという動きが増してきてしまいました。平和を祈る全世界の人たちは悲しんでいます。鷲谷さんもきっと悲しんでいらっしゃることでしょう。
 鷲谷さん、ぼくは今回のこのBouquet des Tons の皆さんからの委嘱をとても意義深いことであると思いました。Bouquet des Tons の皆さんは音楽によって平和への祈りを捧げている人たちだからです。それに今回ラヴェルの時代の戦争の前後に作曲されたぼくの大好きなラヴェルの作品の編曲と同時にぼく自身の作曲をさせて頂けたことも大変光栄なことでした。時代の流れに連れて人の趣向や考えも変わるでしょう。しかし、時と場所を超えても響き合う事ごともあるのだと思います。音楽はそのような心の連鎖を可能にする力を秘めているのだと思います。
 最後にこの作品《ラヴェルの墓》より 第一楽章 “天国の鳥”の成り立ちについての秘密のひとつを打ち明けます。
 鷲谷さんのことを思いながら始めた作曲でしたが、その途中でぼくは綿井健陽さんのドキュメンタリー映画『Little Birds - イラク 戦火の家族たち- 』を観ました。米軍の攻撃によって殺されたサクバンさん一家の3人の子供たち。そのお墓に「おとうさん泣かないで わたしたちは天国の鳥になりました」ということばが...。
 溢れるものがメロディーをより確かな形へと向かわせて行きました。
 そうです。“天国の鳥”のメロディーは正にこのことばを歌っているです。

 鷲谷さん、まだまだ話は尽きません。またきっとどこかでお会い出来ますことを信じています。その時はまたぼくのへたくそなイヨハイオチㇱを聴いてください。それまでどうかお元気で...。本当にありがとうございました。

                     2006.6.30 髙橋 喜治


▼是非読んで頂きたい鷲谷サトさんに関する本:「母と子でみる沖縄戦とアイヌ兵士」橋本進 編 
 
▼是非観て頂きたい綿井健陽監督ドキュメンタリー映画のDVD:「Little Birds -イラク 戦火の家族たち- 」  安岡フィルムス



Bouquet des Tons Vol.18 当日プログラムより若干訂正の上引用、以上。



作曲:高橋 喜治
《ラヴェルの墓》より第1楽章 “天国の鳥”
演奏:Bouquet des Tons




 

.....

| | トラックバック (0)

2016年3月21日 (月)

ラヴェルの遺言?! - ラヴェル週間 -

ラヴェルの遺言?! - ラヴェル週間 -

今日はラヴェルが第一世界大戦に志願兵として戦地に赴くに当って「遺作のつもりで作曲された」とされる《三重奏曲》:Trio について触れたい思いましたが、その本題に入る前に、前回触れました〈ラ・ヴァルス〉について、もう少し書いて置こうと思います。

♪〈ラ・ヴァルス〉♪


ラヴェルを知る書として私のおすすめの一冊に、これまでにも何度かそこから引用もさせて戴きましたヴァイオリニストのエレーヌ・ジュルダン=モランジュ女史の『ラヴェルと私たち』があります。

以下、『ラヴェルと私たち』より引用太字は高橋が追記)

(《ラ・ヴァルス》について)ラヴェルは語っている「私はこの曲をウィンナ・ワルツの大詰めのようなものとして頭に描いた。それは私の中で、幻想的で宿命的な、渦巻く水流の印象と混り合っている。私はこの〈ラ・ヴァルス〉を1855年ごろの皇帝の宮廷という背景のなかに置いた」(原注:自叙伝スケッチ) 〜p.209

「渦巻く黒雲の間の裂目を通して、ワルツを踊る大勢のカップルがかいま見られる。雲は少しずつ散っていき、旋回する人の群がいっぱいにあふれた大広間が認められる」(原注:プログラム梗概)
 
そしてラヴェルは、この「旋回」のなか、この組織的な渦巻きのなかで、その眩暈の主としてとどまっている。「夢、夢ではあるが、左右均整の妙をきわめ、すべてが行為であり脈略である夢!……そもそもどんないかめしい法則の数々がここで夢を見ているのか。自分ら法則が明瞭な顔の形となった夢、現実の存在と非現実の存在と叡知によって知りうる存在とがミューズの力に従って、いかに溶けあい一つになるかを、人間どもに示そうとする意図において自分ら法則がすべて一致しているという夢を」
(原注:ポール・ヴァレリー『魂と踊り』伊吹武彦訳)〜p.212

『隠れ家、隠れ家、おお、私の隠れ家、おお、「渦巻よ!」
 おお、動きよ、私はお前のなかにいた。すべての物のそとに!』(原注:同書)〜p.213

引用、以上。


●反体制ラヴェル

ジュルダン=モランジュ女史はポール・ヴァレリーを引用して〈ラ・ヴァルス〉の本質を見事に示唆しています。意味深な言葉であると思いますが、これを間違ってもラヴェルの権力志向などと把(とら)えてはならないでしょう。ラヴェルの素顔について知るには、既述の『ラヴェルと私たち』と共に、マニュエル・ロザンタール氏の証言が纏められた『ラヴェル:その素顔と音楽論』がおすすめです。ラヴェルは近代市民としての感覚を持った作曲家でした。何よりも公平であることを重んじ、権力の齎す不条理に対しては公に抗議することも辞さない人であったことは押えておきましょう。第一次大戦時志願兵だったとしても戦争を肯定していた訳ではありませんでしたし、戦中、音楽家の権威スジ(サン=サーンスなど)が持ちかけたドイツ音楽排斥運動(後註参照されたし)にもきっぱりと背を向け、戦後は国からのレジョン・ドヌール勲章を突っぱねた気骨の人でした。

後註:既述の『ラヴェル:その素顔と作品論』の付録「戦地からの手紙」に詳しく、フランス国内においてドイツ音楽を禁止する旨の声明文「フランス音楽を擁護するための国民連合の声明文ーーわが国におけるフランス音楽の保護と外国でのフランス音楽の普及をめざして」の全文と、それとは全く異なる考えのため全く賛同できないという反論のラヴェルの手紙全文が掲載されています。声明文は、今の私たちから見ても酷い内容なのですが、その署名欄には次の氏名が連ねられています。名誉会長として、カミーユ・サン=サーンス、テオドール・デュボア、ギュスターヴ・シャルパンティエ。委員として、ヴァンサン・ダンディ、ザヴィエ・ルルー、シャルル・ルコック、ポール・ムニエ、ルシアン・ミルヴォア、代議士一同、芸術関係の国会議員グループの代表一同。書記として、ジャン・プエイユ。発起人代表として、シャルル・タンルック。
しかし、サン=サーンスについてラヴェルは、一貫して敬意を表していて、彼のオーケストレイションについても「建築学的に堅牢に作られている」と高評価しています。


本題に入ります。そんなラヴェルが、第一次大戦直前に「遺作のつもりで書いた」と言われる《三重奏曲》:Trio です。全4楽章から成りますが、その内の第三楽章“パッサカリア”:Passacaille…

♪III “Passacaille” de 《Trio》♪


全曲はこちらで…
♪《Trio》♪



〈ラ・ヴァルス〉:La Valse に話は戻りますが… ラヴェルの言う「私はこの〈ラ・ヴァルス〉を1855年ごろの皇帝の宮廷という背景のなかに置いた」と言う「1855年ごろの皇帝の宮廷」とは、オーストリア皇后としてエリーザベトが即位した(1854年4月)時期と重なります。『ラヴェルと私たち』の中でジュルダン=モランジュ女史は「ラヴェルは昔のウィーンが特に大好きであった。それは、あの政治体制が軽佻浮薄でありながら、そのなかに宮廷風な礼儀と節度を維持していたからである」とも書いているし、ラヴェル自身「ヨハン・シュトラウスを讃える」とも言っているのですが、実際〈ラ・ヴァルス〉を聴いた後で、果たしてそうした言葉を額縁通りに受取ることが出来るでしょうか?

本ブログ既掲載の《子供と魔法》の記事の時にも書きました、「この作品はまるで私たち現代人のために書かれた作品のようだ」と。私には〈ラ・ヴァルス〉も(残念ながら)極めて現代的主題として解釈されるのです。殊に今に至っては、世界の支配と搾取の構造、その全貌が、世界の誰の前にも、明らかになり得る時代が到来しているのです。
ドビュッシーがオペラ《ペレアスとメリザンド》において、崩壊に向う王制と共に、極めて人間性豊かに(多分に神話的要素に接近しつつも)新しい市民感覚の止揚に成功し得たように、それ以降の新しい潮流の中にラヴェルもまた独自なスタイルで存在していたという訳です。

〜..〜〜..〜〜..〜〜..〜〜..〜〜..〜〜..〜〜..〜〜..〜

♪ラヴェルのファンタジー・リリック《子供と魔法》

 嘗てびわ湖ホールさんの委嘱により室内オーケストラ用に編曲しましたことから、このブログ「風の耳」にてラヴェルのオペラ《子供と魔法》の内容 (コレットの台本和訳)の一部をご紹介しましたが、そこにオーディオ(MP3TUBE)を添え、且つその箇所に当る私の編曲版楽譜PDFを公開しました。 PDFは春分の日までとの既述でしたが、一日延長いたします(春分の日の振替休日の21日月曜日まで)。

台本及び楽譜PDFと併せ試聴が出来るページ  

2013年5月19日(日)
ラヴェル:《子供と魔法》「羊飼いさんたち、さようなら」

2013年5月1日(水)
ラヴェル:《子供と魔法》「貴女は薔薇の心」

2013年5月29日(水)
ラヴェル:《子供と魔法》「嗚呼、おまえに会えてなんて嬉しいのだろう、庭よ!」

尚、音源はびわ湖ホールの館脇昭さんより戴きました金沢公演ライヴ録音のCDよりの抜粋です。館脇さん並びに関係者の皆さんに感謝申上げます。

| | トラックバック (0)

2016年3月17日 (木)

ラヴェルと私たち - ラヴェル週間 -

ラヴェルと私たち - ラヴェル週間 -

今年3月7日に生誕141周年を迎えたラヴェルの特集です。

前回アップのドキュメンタリーはいかがでしたでしょうか?
凄い出演者陣でした。その中でもマニュエル・ロザンタール氏は、私には余りにも想像通りの人でした(良い意味で)。
おすすめ本:『ラヴェル:その素顔と音楽論』

兎に角演奏家陣が凄い!
モントリオール交響楽団を指揮する若き日のデュトワ氏をはじめ、ギャビー・カザドシュ女史/ピアノ、アリシア・デ・ラローチャ女史/ピアノ、ヴィクトリア・デ・ロス・アンジェルス女史/ソプラノ、クローディン・カールソン女史/メゾ・ソプラノ、ジャン=フィリップ・コラール氏/ピアノ、ピアノトリオ〔コラール,デュメイ,ロデオン各氏〕etc....

惜しむらくは、音楽が大分端折られていたこと。

歌曲集《シェヘラザード》より第一曲“アジア”やオペラ《子供と魔法》に至っては犯罪的とも言える端折方でした。カットする際にフェウドアウトするとかしてカットしたことが明確に判るようにされた方が良心的でしょう。

それでも番組全体としては、ラヴェルの作曲家としての「肖像」はかなり良く描かれていたのではないでしょうか? (因に、同じ制作元で2000年(?)に制作された、ラヴェルの死因にスポットを当てた番組は、余りにも酷かった…!)

《子供と魔法》は子供役に「本物の少年!」が起用されていました。全曲を視聴したいところでした。大抵は女声で、時にはオバサンみたいな子供で興醒めの場合もある《子供と魔法》です。これは貴重な配役によるテイクです。でも、最初の子供の歌の部分が端折られ、子供の暴れ回っての破壊行為の後、ルイ王朝風安楽椅子と肘掛椅子のデュオがすっ飛ばされて、いきなり子供に振子をとられた大時計の歎きの歌のシーンに行ってしまいました。

これを機に、《子供と魔法》全曲をアップしたいと思いネット上を探したのですが、これが無いのです、理想的な《子供と魔法》が…!

♪ラヴェルのファンタジー・リリック《子供と魔法》

 嘗てびわ湖ホールさんの委嘱により室内オーケストラ用に編曲しましたことから、このブログ「風の耳」にてラヴェルのオペラ《子供と魔法》の内容 (コレットの台本和訳)の一部をご紹介しましたが、そこにオーディオ(MP3TUBE)を添え、且つその箇所に当る私の編曲版楽譜PDFを公開しました。 PDFは春分の日までとの既述でしたが、一日延長いたします(春分の日の振替休日の21日月曜日まで)。

台本及び楽譜PDFと併せ試聴が出来るページ  

2013年5月19日(日)
ラヴェル:《子供と魔法》「羊飼いさんたち、さようなら」

2013年5月1日(水)
ラヴェル:《子供と魔法》「貴女は薔薇の心」

2013年5月29日(水)
ラヴェル:《子供と魔法》「嗚呼、おまえに会えてなんて嬉しいのだろう、庭よ!」

尚、音源はびわ湖ホールの館脇昭さんより戴きました金沢公演ライヴ録音のCDよりの抜粋です。館脇さん並びに関係者の皆さんに感謝申上げます。

| | トラックバック (0)

2013年12月15日 (日)

この星の夜空の下、恒久平和への祈りの歌声が響渡った!

先日(2013年12月11日)、平和への祈りの歌声が夜空の下(きゅりあん大ホール)、響渡りました。(既掲載記事参照)

20131211chirashib
この星の皆で「決して変えさせない!」と決意しないと今の心ない政権によって戦争肯定の戦前回帰的なものに無惨にも変えられてしまいそうな私たちの平和憲法『日本国憲法』をサブテーマとした演奏会でした。
20131211kyurianprogp1
ほとんど独裁とも言える現政権によって、特定秘密保護法法制化、日本版NSC創設と、国民の思いなどお構いなしに、次々と戦争への準備を進められてしまっている中で、一曲一曲から、それぞれの曲に託された切実な思いが、しみじみと伝わって来る音楽会であったと思います。

南部合唱団の皆さんは創立55周年ということで、ほぼ私の人生とも重なる時を経て来られた歴史・時代感を共有出来るという思いから、何故かこの日は非礼ながらも普段着で出かけてしまいました。

もともと歌が好きな子供だったのですが、作曲家を志し、時を経るうちに、自らは人前で歌うことを止めてしまいました。しかし、たとえどんな作品でも私の仕事の根底には「うた」が在ると思っています。歌が音楽の基本なのです。
20131211kyurianprogp4
また、人の歌声の響きに、思いや感情の流れだけでなく、人の温かいぬくもりも感じられるのですが、ことにそうした魅力を感じさせるプログラムだったと思います。

混声合唱だけではなく、男声合唱の魅力(〈津軽平野〉作詞作曲/吉幾三 編曲/小林康浩)、女声合唱の魅力(〈童神〉(わらびがみ) 作詞/古謝美佐子 作曲/佐原一哉 編曲/森知紀 補編曲/吉田桂子)と形態のヴァリアンテも愉しめ、また、和太鼓の魅力(〈花筺〉(はながたみ)作曲/玉村武)もあり(合唱団団長の大井かつ江さんも和太鼓で大活躍!)、それに、JAL不当解雇原告団のメンバーで結成された合唱団の皆さんも加わっての〈あの空へ帰ろう〉の飛入りもありました。

〈あの空へ帰ろう〉(作詞/青木一馬 作曲/武義和)は、グローバリズム吹荒れる昨今、安倍政権も推進している企業優先(コーポラティズム)の冷酷な合理主義(問答無用切捨御免!)の犠牲となられた方々の、職場への復帰を願う切実な思いが歌われた名曲です。
(参考→Jal不当解雇撤回裁判原告団|Facebook

これはTPPとも関係する問題ですが、航空機のみならず安全第一が厳しく要求される様々な乗物や設備、原発もそうですし(と言うか、元々安全なんてあり得ない)、医薬品、穀物や食品に至るまで、企業の利潤追求が優先され、安全が疎かにされ、自然が蔑ろにされ、生命が脅かされる... これは現代文明の病理とも言えると思うのですが、中でも原爆と原発の問題は現代の問題の核心であり、不条理に充ちた現代文明の矛盾の象徴であると思います。

思えば私たちは、広島長崎への原爆投下による被爆国であり、福島第一原発事故によって被曝大国となってしまったとも言えます。

日本国憲法には、311以降の棄民政策やTPPによって齎されるであろう企業利益優先・生命軽視による人権侵害とも言えるこれらのことを禁じ、戦争が齎す悲惨を二度と繰返さない との強い思いが込められていると思うのですが、結局のところ、現政権のように国家権力が戦争を志向すれば、憲法を否定しなければならなくなるし、戦争もまた一部の人たちの利益のためであって、今私たちが立会っている深刻なこれらの問題は底辺で全部繋がっているのですね。

 さらに練習を積まれ深みを増した南部合唱団の皆さんによる〈原爆を許すまじ〉(作詞/浅田石二 作曲/木下航二 編曲/高橋喜治)に胸打たれ、そして、プログラム最後の曲〈樹があるかぎり〉(作詞/小森香子 作曲/小島啓介 編曲/赤堀文雄)を聴き終り、曲の温かい優しい余韻に包まれながら私はこう思いました。私にとって(おそらく合唱団の皆さんにも)、こうした音楽による心繋がる体験が権力の横暴などに奪われてしまうなんて... それほど悲しいことはない、憲法否定の現政権を断じて許せない と。

蛇足ながら、打上の際、私は一冊の本を所持されることを皆さんにお勧め申し上げました。
『日本国憲法』です。
これは国家権力の暴走・横暴に対して抗うための盾にもなれば槍にもなるからで、すべての国民は大いに活用すべきだと思います。
まだ間に合います!

最後に、人間の歌声が、音楽が、永遠に続くことを信じて... この随想を終えたいと思います。

  「どうか いつまでも」

| | トラックバック (0)

2013年10月17日 (木)

好評発売中!

好評発売中!

Otonawa_cdfront ◎CD:大人は手遅れかも知れないが子供たちに伝えなければならないことがある 2014年10月1日発売!

Cdotonawa_chirashi_2
このCD↗のご購入方法につきましてはこちらのページをご覧ください。

 


Bdtlogo

◎Anthologie Bouquet des Tons 【CD】2011年4月28日発売

♫お馴染の室内アンサンブル Bouquet des Tons(ブーケ・デ・トン) のファーストアルバムのご案内です。

「ブーケサウンド」とも呼ぶべき柔らかく優しい独特な世界を是非、お聴きください!

Cdanthologie1_3
Cdanthologie2_2
Cdanthologie3_2
◎Anthologie  Bouquet des Tons


◎脳を学ぶ 3 アンサンブル・グループ「ブーケ・デ・トン」との対話 【CD付図書】2011年4月28日発行

♫脳科学の立場からリハビリテーションの多彩な展開と可能性を探る「協同医書出版」からの本、森岡周の「脳」レクチャーシリーズ『脳を学ぶ(3)音楽CD付』〜アンサンブル・グループ「ブーケ・デ・トン」との対話〜。ブーケの皆さんが執筆もなさっています。→協同医書出版のページ

Nou1_2
詳細・お問合せは→Bouquet des Tons の ページへ。

◎『脳を学ぶ(3)音楽CD付』~アンサンブル・グループ「ブーケ・デ・トン」との対話~

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


◎西川浩平 Flutist from the East Vol.4【CD】2005年4月25日発売


Cdnishikawa
収録曲

1 大政直人:恋歌(篠笛、十三絃筝) 2 大政直人:藍色の魚(篠笛、十三絃筝、ピアノ)  3 デーヴィド・ローブ:曙奏曲と夜想曲(篠笛、ピパ、打楽器、ピアノ) 4 高橋喜治:ホアル(篠笛、ピパ、打楽器、ピアノ) 5 ディエゴ・ルズリアガ:アルトゥラス(篠笛、ピパ、打楽器、ピアノ) 6 ヤン・ジャーブレップ:シンカンセン(篠笛/フルート、チェロ、打楽器、ピアノ)


演奏

西川浩平(にしかわ・こうへい/篠笛・フルート) リィウ・ファン(ピパ=中国琵琶) 宮越圭子(みやこし・けいこ/十三絃筝) 奈良英子(なら・ひでこ/ピアノ) ヤン・ジャーブレップ(チェロ) パトリック・グラハム(打楽器)


録音

1, 2:2001年11月30日 横浜市栄区民文化センターリリス 3, 4, 5:2001年2月10日 オスカー・ピーターソン コンサートホール、カナダ・モントリオール 6:2002年12月1日 ジュネス音楽ホール、カナダ・モントリオール


企画

西川浩平


制作

ライヴノーツ


販売元

ナミ・レコードCo.,Ltd.

WWCC-7495 ¥2625(税込み)

◎高橋喜治:ホアル ~西川浩平「Flutist from the East Vol.4」

amazon.co.jpの購入ページ



◎奈良英子 サティ:スポーツと気晴らし【CD】2003年12月15日発売

Cdnara
収録曲

1:三善晃:ピアノソナタ  2.高橋喜治:「月巡りの歌」より 3月 海の雪/9月 ヤイサマネナ天空篇または猿田彦の夢/4月美しき御寺に風は時折海の予感を運び  3.武満徹:雨の樹素描  4.吉松隆:「プレイアデス舞曲集」より  過去形のロマンス/暗い朝のパヴァーヌ/夕暮れのアラベスク/水によせる間奏曲/鳥のいる間奏曲(うぐいす笛:西川浩平)  5.セシル・シャミナード: ピエレット(バレエの情景)/ラ・モレーナ(スペインのカプリス)/紡ぎ歌  6.エリック・サティ:「スポーツと気晴らし」(詩の語り:稲垣隆史)


録音

2002年9月4日-5日 横浜市栄区民文化センター「リリス」


企画

奈良英子


制作

ライヴノーツ

 

販売元

ナミ・レコードCo.,Ltd.

WWCC-7464 ¥2625(税込み)

◎高橋喜治:月巡りの歌より3曲 ~奈良英子「サティ:スポーツと気晴らし」

Amazon.co.jpの購入ページ




◎響け佐治谷ばなし Part III 〜音楽物語/音楽狂言〜【CD】2002年発売


Cdsaji
収録曲と演奏と録音

1.「むか~しむかしのあったかばなし」(1)はじめに (2)伊勢参り (3)和尚むかえ (4)婆ァほめ (5)蕎麦切り

脚色:ひらのりょうこ 朗読:常田富士男 作曲/指揮:高橋喜治 演奏:京都フィルハーモニー室内合奏団 2002.2.19(栗東芸術文化会館さきら中ホール)/21

2.音楽狂言「茶栗柿(ちゃくりかき)」 脚色:ひらのりょうこ 作曲:十河陽一 狂言:茂山千之丞・丸山やすし・茂山あきら・茂山童司 演奏:京都フィルハーモニー室内合奏団 2002.2.17(ライヴ)


企画

鳥取県佐治村※


制作

京都フィルハーモニー室内合奏団・アートステージ


販売元

佐治村役場※

TKS-04 ¥2000

 

※2006.9.3現在 佐治村は合併により佐治町となっています。


◎高橋喜治:「佐治谷ばなし Part III」の音楽 全4話14曲 ~「響け佐治谷ばなし Part III」音楽物語/音楽狂言


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


SUITE THE FLUTY TIME TRAVEL(柔らかく澄んだ時の旅)【楽譜】2009年発行

Theflutytimetravelscore
♬フルート愛好家の内谷貴志さんが立上げられたフルート作品専門の楽譜出版 Fluty Creation より出版された拙作の楽譜のご案内です。


□高橋喜治作曲 THE FLUTY TIME TRAVEL(柔らかく澄んだ時の旅)
主に作曲者が修行時代に作曲した作品を基にリメイクしたフルート四重奏のための6曲からなる組曲です。
当時心酔していた作曲家ラヴェルへのオマージュを中心に作曲のメソードに纏るノスタルジックな小品で構成。


SUITE
THE FLUTY TIME TRAVEL
(柔らかく澄んだ時の旅)

I     Time Travel(時の旅)
  [2Fl, 3rdFl(→A.Fl), 4thFl(→Bs.Fl)]
II    Forlane(フォルラーヌ)〜Hommage à Ravel  I(ラヴェル讃  I)〜
  [2Fl, A.Fl, Bs.Fl]
III   Harmonie I(ハーモニー I)
  [2Fl, A.Fl, Bs.Fl]
IV Pavane(パヴァーヌ)〜Hommage à Ravel  II(ラヴェル讃 II)〜
  [3Fl, A.Fl]
V  Harmonie II(ハーモニー II)
  [2Fl, A.Fl, Bs.Fl]
VI Fugue(フーガ)
  [2Fl, A.Fl, Bs.Fl]

通信販売

ムラマツフルート  山野楽器  Fluty Creation



□NOSTALGIA〜故郷(ふるさと)の島【楽譜】2009年発行

Nostalgiascore
肌の温もりを想わせる柔らかなアルトフルート 水をイメージさせるギター その二つの楽器の音色から呼起された淡路島への旅の想い出が3楽章からなる作品になりました。アルトフルートとピアノの編成版も付いた豪華なセットです。

通信販売

ムラマツフルート  現代ギター社  山野楽器  Fluty Creation






高橋喜治のショップサイト
Haruan shop 開店中!

| | トラックバック (0)

2011年8月19日 (金)

寮美千子さん講演「詩が開いた心の扉『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』」

おすすめ本と講演案内です。

お馴染の詩人で作家の寮美千子さんが取組んでいらっしゃる詩に拠る受刑者の更正教育「社会性涵養プログラム」から生まれた少年たちの詩を中心に寮さんが編まれた57編の詩集。授業の模様も併せ書かれていて、詩を作った生徒たちの心模様も感じられる本です。

『空が青いから白をえらんだのです』奈良少年刑務所詩集 寮美千子 編 新潮文庫

本のタイトルにもなっている「空が青いから白をえらんだのです」とは、巻頭一番目にある「くも」というタイトルの一行詩そのままなのでした。(感動した私は早速作曲。来る今月29日のBouquet des Tons奈良公演で初演予定。詳細は追って掲載します。)

以下、引用。

Aくんは、普段はあまりものを言わない子でした。そんなAくんが、この詩を朗読したとたん、堰を切ったように語りだしたのです。

「今年でおかあさんの七回忌です。おかあさんは病院で『つらいことがあったら、空を見て。そこにわたしがいるから』とぼくにいってくれました。それが、最期の言葉でした。おとうさんは、体の弱いおかあさんをいつも殴っていた。ぼく、小さかったから、何もできなくて……」

Aくんがそう言うと、教室の仲間たちが手を挙げ、次々に語りだしました。

「この詩を書いたことが、Aくんの親孝行やと思いました」

「Aくんのおかあさんは、まっ白でふわふわなんやと思いました」

「ぼくは、おかあさんを知りません。でも、この詩を読んで、空を見たら、ぼくもおかあさんに会えるような気がしました」

と言った子は、そのままおいおいと泣きだしました。

自分の詩が、みんなに届き、心を揺さぶったことを感じたAくん。いつにないはればれとした表情をしていました。

たった一行に込められた思いの深さ。そこからつながる心の輪。

「詩」によって開かれた心の扉に、目を見開かれる思いがしました。

引用、以上。

その後様々な生徒たちによる、「金色」 「銀色」 「すきな色」 「黒」 「ぼくのすきな色」と色彩を題材とした詩が続きます。「何も書くことがなかったら好きな色について書いてください」という寮先生の課題によって生まれた詩たち。つながる子供たちの心。

以上のような寮先生の授業の様子を伝える講演会が、明日(東京)と明後日(千葉)に開かれます。

以下、寮美千子さんの掲示板より転載。

■寮美千子講演「詩が開いた心の扉『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』」/クレヨンハウス連続講座「子どもの本の学校」
⇒http://www.crayonhouse.co.jp/home/gakko21.html

▶日時:8月20日(土) 15:30開場 16:00~17:30
▶場所:クレヨンハウス東京店B1 レストラン「広場」 (地下鉄「表参道」駅A1出口またはB2出口より徒歩数分)
東京都港区北青山3-8-15
電話 03-3406-6492
▶料金:当日券2500円/年会費23000円(12回分)
▶申込:当日受付・全席自由120席(会員優先)
▶主催:クレヨンハウス東京店 子どもの本売り場
     メール c-help@crayonhouse.co.jp
     電話 03-3406-6492
▶内容:「91年5月より、スタートしましたクレヨンハウスの[子どもの本の学校]連続講座は、第21期を迎えます。
子どもの本の専門店として、作家と読者が出会う場所をつくりたいとの思いが出発点。
“子ども”をキーワードに、子どもについて、子どもの本について、子どもをとりまく大人の世界について、
ご一緒に楽しみながら考えていきたいと思います。さあ、第21期のスタートです。」(講座案内より)

寮美千子は第4回に登場。
「加害者になる前に、被害者だった」少年たち。家庭内暴力、育児放棄、いじめ、などで心を閉ざした子どもたちを救った「物語の教室」とは?」として、
『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』(長崎出版)に関連した話をします。
なお、奈良少年刑務所では、この4月から、第8期の授業が始まります。

■寮美千子講演@千葉「詩が開いた心の扉『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』」

▶日時:8月21日(日) 14:00開場 14:30~16:40
▶場所:惠泉 (JR総武本線・成田線「都賀」駅東口より徒歩5分 かねたや家具店方面(モノレール沿い)左側/専用駐車場8台あり)
     千葉市若葉区都賀3-24-8 都賀プラザ1F
     電話 043-309-8350
▶料金:1500円(飲茶つき) ※講演のあと、飲茶で懇談会
▶申込:先着45人/予約歓迎
     予約は電話043-309-8350(惠泉・四宮)またはメールkomugikoten@vitaport.co.jp
▶主催:ならまち通信社
     ⇒チラシPDF

千葉での寮美千子の講演です。『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』(長崎出版/新潮文庫)について話します。
千葉は、寮美千子にとって小・中・高校時代の地元。同窓の方など、ぜひいらしてください。

会場から千葉方面に2kmほどのところにある千葉刑務所は、奈良少年刑務所と同じ「明治の五大監獄」の一つ。現在は、奈良少年刑務所より少し小ぶりの正門と管理棟のみ、明治の煉瓦建築が残っています。

転載、以上。

寮美千子さんのホームページ→Harmonia

| | トラックバック (0)

「ぼっくすおふぃす・朗読さろん Vol.6 神品友子没後10年〜ドイツ現代童話を聴く夕べ」

日が迫ってのご案内で恐縮ですが、明日開催の劇作家・演出家の神品正子さん主宰の朗読さろんのご案内です。
今年はドイツ文学者であられました神品正子さんのお母様=神品友子先生の没後10年ということで、朗読に「お月さまのかお」「ねこのアイウエオ」が取上げられ、お父様の神品芳夫先生によりますお話(作品解説)も併せございます。
私は、2007年のぼっくすおふぃす・朗読さろんVol.5(風の耳 こぼれおちる月 参照)にて、「お月さまのかお」の音楽を担当させて頂いたこともあり、絵本の独特な色彩の絵と共に魅了された「お月さまのかお」の愛読者の一人です。また、その折に神品さんより頂いた「ねこのアイウエオ」も愛読していました(本のご購入は下記リンクより可能です)。
今回は、神品正子さんの妹さんの油井ユリ江さんのヴァイオリン演奏付ということで、アットホームな雰囲気でドイツ現代童話の魅力を味わうことの出来る貴重な機会ではないかと期待されます。

ぼっくすおふぃす・朗読さろん Vol.6
神品友子没後10年〜ドイツ現代童話を聴く夕べ


▶日時 2011年8月20日(土) 開場/16:30 開演/17:30
▶会場 自由学園明日館 講堂
     Tel 03-3971-7535
▶入場料金 2500円(全自由席)
▶お問合せ ぼっくすおふぃす


♪プログラム

お月さまのかお Das Mondgesicht
 ゲルダ・マリー・シャイドル 作
 神品友子 訳(ほるぷ出版刊)

 朗読/三好 美智子

ねこのアイウエオ Zupp
 ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー 作
 神品友子 訳(晶文社刊)

 朗読/青木 勇二  越前屋 加代  佐々木 優子


  構成・演出     神品 正子
  お話         神品 芳夫
  ヴァイオリン演奏 油井 ユリ江


おすすめ本の購入:Amazonへのリンク

お月さまのかお

ねこのアイウエオ

| | トラックバック (0)

2011年7月18日 (月)

…風のおしえ 響きあう詩

予感

わたしは遠方にとり囲まれた旗のようだ、
風がくるのを予感する。かなたで物たちが、まだ身じろぎも
しないのに、わたしは風を生きねばならない。
扉はまだやわらかに締まり、暖炉には静けさがある。
窓の列はまだふるえず、埃もまだ積もったまま。

それなのにわたしはすでに嵐の到来を感じ、海のように荒れる。
そしてわたしは自分を広げ、自分の中へ転落する。
自分の身を投げ出し、全くひとりで
大きい嵐の中にいる。

                        

     Vorgefühl(リルケ 作 神品芳夫 訳)


◎月巡りの歌 6月(...風のおしえ) CD→ぼっくすおふぃす・朗読さろん Vol.5 お月さまのかお

◆予感 詩集→『リルケ詩集』 神品芳夫 編・訳 小沢書店

□月巡りの歌 6月(...風のおしえ) 楽譜→こちら

| | トラックバック (0)

2011年7月 5日 (火)

「原発は差別の象徴だ」(さらにリンク追加)

玄海原発が再稼働されてしまう(ニュース参照)。 原発は「悪いこと」なのだという自覚がないのだろうか(まさに核=青江下坂である。お家の宝刀は、それを手にした者と周囲の者たちに災いを齎す魔剣)。一度事故を起こせば人々や自然界に幾世代にも亙り多大な災いを齎す。犠牲者が「自分の肉親だとしたら」と想像すれば、とても許せないのが人情というものだと思うのだが...。それでも稼働?! (これにはいろいろ理由がありそうです。植草先生のブログ、下記おすすめブログご参照ください)
しかも原発は元々その導入の動機が国家犯罪という巨悪に彩られ(既掲載記事参照)、尚且つ、所謂「原子力村」とは、被曝労働者(既掲載記事参照)への恐ろしい人権侵害の上に築き上げられた悍しい巨塔バベルだ(事故後の人々が放射能の危険性を巡って引裂かれていく社会状況を見ても、この喩えは的を射ていると思う)。

  ...............................................................

 「あらゆるものが つながっている」(※)

また、この問題この被害は日本だけのことに止(とど)まらない。
事故後の放射能汚染被害のことだけでもない。ウランの採掘の時点から既に大きな問題を孕んでいた。以下はおすすめYouTubeから。

スリーマイル島の事故以前の話。アメリカ先住民ナバホの居留地の「ウランのサウジアラビア」と呼ばれたウラン鉱山。ウラン鉱山は発破で砕かれる。その粉塵を労働者たちは吸込む。家へ帰ると、汚れた夫の服を妻が叩き、舞上る粉塵を妻が吸込む。子供も吸込む。そうしてみんな被曝していき、夫と妻は肺癌に、子供は骨癌に...。

●ナバホの草の根民主運動の勝利

スリーマイル事故後、鉱山会社は撤退したが、その後、ハイドロリソース社によるインシチュ・リーチング法という実験的手法での採掘が行われようとする。地下の帯水層からポンプで汲み上げた水に酸素と重炭酸ナトリウムを注入してウラン鉱石からウランを溶かし出す方法。

ハイドロリソース社社長は「井戸を掘って水を汲上げるポンプが鉱山労働者の役目を果たす。人が地下に潜るわけではないので安全だ。汲上げた水に酸素と重炭酸ナトリウムを注入してその水を再び地下に注入する」と説明する。情報提供団体代表の話「そうするとウランは10万倍にも濃縮され、天然の地下水が猛毒入りのスープになる」。社長は「水は地下に設置する容器に入れるから安全だ」。団体代表「その容器からもし漏れたら(そのすぐ隣のいのちの水源の)水は飲めなくなる」。

ブッシュ政権はハイドロリソース社に年間1千万ドルの補助金を支給することをエネルギー法案に盛込む。会社の従業員はなんとたったの二人。

ナバホの夫婦の夫「自分の家の近くで起きたとしたらどう思うか?」。医師は「人種差別が環境破壊に結びついている」と説明。

ナバホ夫婦の夫「トウモロコシの花粉とウランは見ためがそっくり。しかしトウモロコシは自然の恵みだが、ウランは誤って手をつけると破滅に至る」。

ナバホ夫婦は仲間と共に、ついに、提訴に踏切る。そして企業のウラン採掘を阻止。ナバホ婦人「この10年間粘り強く草の根の運動を続け鉱山の再開をくいとめてきた」。

医師の話「ここはアメリカでも最も収入の少ない地域のひとつ。住民のほとんどが英語を話さない。電話のない家も多く政治家と電話で話すことも出来ない。そうした地域の住民が、ウラン産業、原子力産業を阻止している。草の根の民主主義が勝利を収めている」。

●「原発は差別の象徴だ」

以上の中の医師の言葉にもあるように、原発は元々差別に基づいている。小出裕章先生の著書『原発のウソ』(扶桑社新書2011年刊)のまえがき〜起きてしまった過去は変えられないが、未来は変えられる〜冒頭にはこうある。以下引用。途中の註の米印は筆者。

私はかつて原子力に夢を持ち、研究に足を踏み入れた人間です。でも、原子力のことを学んでその危険性を知り、自分の考えを180度変えました。「原発は差別の象徴だ」と思ったのです(※1)。 原子力のメリットは電気を起こすこと。しかし「たかが電気」でしかありません。そんなものより、人間の命や子どもたちの未来の方がずっと大事です。メリットよりもリスクの方がずっと大きいのです。しかも、私たちは原子力以外にエネルギーを得る選択肢をたくさん持っています(※2)。

引用以上。

※1 別のところで「福島原発は東京の人たちが使う電気なのに原発は福島。安全なら何故東京に作らないのか。危険を地方に押付けている」という点で差別であると小出先生は仰っている。

※2 今すぐに全ての原発を止めたとしても稼働していない火力発電所を稼働することで東電が発表しているような「夏場の電気不足」は防げるという。(このことはこのブログ上で紹介した小出裕章先生のいくつかのご講演の中で図解資料で示されていましたし、広瀬隆さんや田中優さん関連の番組の中でもそれぞれの方が解説されています。併せてご参照くだされば幸です。)

...................................................

おすすめブログ

玄海原発にゴーサインを出す町長の横顔:植草一秀の『知られざる真実』

おすすめYouTube

母なる大地を守りたい〜立ち上がる先住民〜前編

母なる大地を守りたい〜立ち上がる先住民〜後編

玄海原発プルサーマル計画について(鎌仲ひとみ)

おすすめサイト

広瀬隆氏自家発電6000万kw・送電線の解放が原発廃止への近道」(ちきゅう座)

...................................................

おすすめ本

原発のウソ 小出裕章

....................................................

※「あらゆるものが つながっている」 このことばは私の合唱作品〈父は空 母は大地〉の中のことばで、この作品は、アメリカ先住民シアトル首長の伝承されたことばを詩人で作家の寮美千子さんが編訳された同名の絵本に基づく作曲でした。〈月巡りの歌〉の10月(...森と海と子供たちの未来への前奏曲)の頭辞として引用したのをはじめ、このブログ上の記事の中でも度々引用しています。

| | トラックバック (0)

2011年5月20日 (金)

好評発売中!

好評発売中!


♫お馴染の室内アンサンブル Bouquet des Tons(ブーケ・デ・トン) のファーストアルバムのご案内です。

「ブーケサウンド」とも呼ぶべき柔らかく優しい独特な世界を是非、お聴きください!(2011年4月28日発売)
Cd2



Cd3



Cd4
私の処でも扱っています。→音楽工房Amakane



♫脳科学の立場からリハビリテーションの多彩な展開と可能性を探る「協同医書出版」からの本、森岡周の「脳」レクチャーシリーズ『脳を学ぶ(3)音楽CD付』〜アンサンブル・グループ「ブーケ・デ・トン」との対話〜。ブーケの皆さんが執筆もなさっています。→協同医書出版のページ
Nou1


詳細・お問合せは→Bouquet des Tons の ページへ。






♬フルート愛好家の内谷貴志さんが立上げられたフルート作品専門の楽譜出版 Fluty Creation より出版された拙作の楽譜のご案内です。


□高橋喜治作曲 THE FLUTY TIME TRAVEL(柔らかく澄んだ時の旅)
  主に作曲者が修行時代に作曲した作品を基にリメイクしたフルート四重奏のための6曲からなる組曲です。
   当時心酔していた作曲家ラヴェルへのオマージュを中心に作曲のメソードに纏るノスタルジックな小品で構成。

  通信販売→ムラマツフルート  山野楽器  Fluty Creation


□高橋喜治作曲 NOSTALGIA〜故郷(ふるさと)の島〜
  肌の温もりを想わせる柔らかなアルトフルート 水をイメージさせるギター その二つの楽器の音色から呼起された淡路島への旅の想い出が3楽章からなる作品になりました。アルトフルートとピアノの編成版も付いた豪華なセットです。

  通信販売→ムラマツフルート  現代ギター社  山野楽器  Fluty Creation



◎高橋喜治の作品が収録されているCD
□高橋喜治作品の楽譜

| | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

Bouquet des Tons | etc. | Haruan shop | YAISAMANENA | YouTube | □新 月巡りの歌□ | □楽譜 | ◇お報せ | ◎CD | ◦monologue intérieur | ★作曲 | ★編曲 | ☆作曲 | ☆編曲 | ♪演奏会案内 | ♪演奏会記録 | ♪演奏会随想 | ♪発表 | ♪試聴♪ | 〈YAISAMANENA〉 | 〈大人は手遅れかも知れないが子供たちに伝えなければならないことがある〉 | 〈父は空 母は大地〉 | 《Bouquet des Tons》 | 《Nostalgia》 | 《Spring ephemeral》 | 《YUKAR fragments》 | 《お月さまのかお》 | 《ポール・クローデルの『百扇帖』による二重奏詩》 | 《ラヴェルの墓》 | 《三つの影像》 | 《季節の子供》 | 《小さな挿絵》 | 《星の音楽》 | 《月巡りの歌》 | 《柔らかく澄んだ時の旅》 | 《油屋お紺》 | 《雨》 | おすすめCD | おすすめYouTube | おすすめサイト | おすすめツイキャス | おすすめブログ | おすすめ映画 | おすすめ本 | おすすめ音楽 | ご挨拶 | ご案内 | はるあんノート - 作品 - | ぼっくすおふぃす(神品正子) | アンサンブル・レトワール | ドビュッシー | ドビュッシー:《ペレアスとメリザンド》 | ニュース | フリー・エネルギー | ポエトリー・リーディング | ラヴェル | ラヴェル:《子どもと魔法》 | 予告 | 人類滅亡への道 | 写真展案内 | 写真展随想 | 勉強会案内 | 募集 | 南部合唱団 | 原発震災 | 叫び | 合唱団ルミル | 問答 | 基地問題 | 好きな詩 | 寮 美千子 | 平和への歩み または 揺籃 | 心に響くことば | 思考メモ | 意見 | 放射能対策参考情報 | 旅 随想 | 映画上映案内 | 朗読サロン案内 | 朗読サロン随想 | 歎き | 演劇案内 | 物理学 | 独りデモ | 生徒募集 | 署名 | 美術 | 美術展随想 | | 論考 | 講演会案内 | 随想 | 音楽 | 響きあう詩