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2016年4月 4日 (月)

オーケストラの魔術師ラヴェル 5 - ラヴェルにとってワルツとは? - - ラヴェル週間 -

オーケストラの魔術師ラヴェル 5 - ラヴェルにとってワルツとは? - - ラヴェル週間 -

今回もまた、元はピアノ曲で後にラヴェル自身が管弦楽化した作品からですが、まず、シューベルトの連作ワルツの形に倣って1911年に作曲された《高雅で感傷的なワルツ》。これは翌年ラヴェルの台本によるバレエ《アデライーデ、または花言葉》として管弦楽化されることになります。



【おすすめYouTube】
《高雅で感傷的なワルツ》
オリジナルピアノ独奏版
モーリス・ラヴェル/ピアノ


【おすすめYouTube】
《高雅で感傷的なワルツ》
オーケストラ版(オーディオのみ)
(バレエ《アデライーデ、または花言葉》)
クラウディオ・アバド指揮 ロンドン交響楽団


【おすすめYouTube】
《高雅で感傷的なワルツ》
オーケストラ版(ライヴ)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 パリ管弦楽団



ラヴェル自身の演奏は、元は時代物の蝋管から起した録音ですので、その所為かどうかよく判らないのですが、時々「おや?」と思う瞬間もありますね。
オーケストラ版の方はいかにもお洒落なラヴェルらしいセンスで、大いに愉しんで作曲された感じがします。



●ラヴェルにとってワルツとは?

既掲載の「ラ・ヴァルス」と「ラヴェルの遺言?!」に関連することを書きます。

舞踊詩〈ラ・ヴァルス〉の作曲の計画は、1906年2月のジャン・マルノール氏宛の手紙に、ヨハン・シュトラウスへのオマージュのような作品を計画している旨が書かれているので、完成の1919-1920年まで、戦争を挟んで凡そ14年もの間、彼の頭の中にあったことを意味します。恐らくラヴェルは子供の頃からワルツが好きだったのでしょう。しかし、今回の戦前書かれた《高雅で感傷的なワルツ》と戦後書かれた〈ラ・ヴァルス〉との差異はどうでしょう!!

戦前と戦後のラヴェル。勿論変らなかったこともあるでしょう。しかし、作品には確実にある「変化」を認めることが出来ます。

山崎康彦さんの詩に私が作曲した〈大人は手遅れかも知れないが子供たちに伝えなければならないことがある〉に関する既掲載記事での、ラヴェルの弟子のマニュエル・ロザンタール氏が伝えるラヴェルのワルツについての言葉を、再びここに引用します。
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以下、引用。

ラヴェルは自らの一番お気に入りの子供については、自分のほうからよく話してくれたーー《ラ・ヴァルス》だ。彼によれば、ワルツのリズムこそ人間性と密接 にかかわるものだという。「なぜなら、これは悪魔のダンスだからだ。とくに悪魔は、創造者の潜在意識につきまとう。創造者は、否定の精神とは対極の存在だからね。創造者の中でも音楽家の地位が一番高いのは、ダンスの音楽を作曲できるからだ。悪魔の役割とはわれわれに芸当をさせる、つまり人間的なダンスをさせることなのだが、人間のほうも悪魔にお返しをしなければならない。悪魔とともにできる最高の芸当は、悪魔が抵抗できないようなダンスを踊ることだよ。」
 〜マニュエル・ロザンタール著 マルセル・マルナ編 伊藤制子訳『ラヴェル ーその素顔と音楽論』(春秋社刊)より

引用、以上。


戦後《クープランの墓》を書きあげ、失意のどん底から立直ったかに見えたラヴェルでしたが、モーツァルトのように作品数こそ多くはなかったけれども、一作一作に新たな要素が加わり、聴く人に衝撃的な感動を与える作品群が並ぶことになったと思います。それらの作品の根底にあるのは、醒めた意識で、自己の内面と世界そして宇宙の内的連関を「音楽として聴き出そうとする」一人立つ人間の強靭な意志を、私は感じざるを得ません。ラヴェルが自身の作品の中で〈ラ・ヴァルス〉が一番のお気に入りだったのは、きっと、この作曲によって、自分自身に打勝ったと実感出来たからではないでしょうか。勿論、敢然と「悪魔」と対峙したプロセスを経て…


♪〈ラ・ヴァルス〉♪
   バレエ&演奏

演奏:シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団






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