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2013年5月13日 (月)

私の《子どもと魔法》の編曲について(追記あり)

私の《子どもと魔法》の編曲について、その特徴と編成(オリジナルとの対称表)をメモしておきます。

●特徴

この編曲は、2002年びわ湖ホール声楽アンサンブルの定期公演におけるこのオペラの声楽パートの全てを歌う16名の同声楽アンサンブルの伴奏室内オーケストラの編成のために為されたものを昨年2012年から今年にかけてさらに改訂を加えたものです。
私の編曲は、基本的にはラヴェルのオリジナルのオーケストレーションの魅力を損なうことなく室内オーケストラ化することに努力が払われていますが、諸条件から独自な 置換え(音色の)・省略、それに独自な 付足し も 為されています。
それに、小節数・練習番号は、デュランのオリジナル・フル・スコアと違いはありませんが、声楽パートの書き方をラヴェルが《マラルメの三つの詩》で採った器楽的記譜法に変えています。しかし、その結果として鳴響く内容に全く違いはなく(後註:つまり書方を変えただけで、この編曲で私は声楽パートのその内容にはノータッチという意味)、また、デュラン社より出版されているヴォーカル・スコアのピアノ伴奏部とフル・スコアのオーケストラ部で若干異なる響きの箇所もあるのですが、声楽アンサンブルの皆さんは、この市販のヴォーカル・スコアで練習されて差支えありません。…あ! そうでした。羊飼いの少年だけは、びわ湖ホール声楽アンサンブルさんサイドからの要請で声種をオリジナルのContraltoからTénorに変えていたのでした。且つ私はContre-ténorでも可能なようにossiaでオクターブ記号も付けています。
尚、デュランのオリジナル楽譜にはミスプリが多く、編曲に当って、往年の名演奏家たちの演奏の録音を比較・調査の上、私の判断でそれらを修正しています。これに関しては今後その詳細をデュラン社宛にこの編曲のスコア等の資料と共に送り、交流を図るつもりでいます。

演奏の難易度は?というご質問には、全員がヴィルトゥオーソでなければならない、とお応えするしかありません。パートによっては極限域に達している場合もあります。それでも打楽器パートは比較的易しいとは思います。
この作品の声楽パート全部を16名でこなしてしまうびわ湖ホール声楽アンサンブルの皆さんのパワーには脱帽!

【追記】私自身が思うこの編曲の良いところは、上演に際し実際の子供たちを必要とせず、大人だけで出来るというところです。


●編成

子供と魔法(高橋喜治による室内オーケストラ版)編成表
(この編成[2,2,2,1/1,1,1/1/Claviers/2,2,2,1,1]は私の決定ではなく依頼者から与えられたものです)

1 Flûte I
1 Flûte II  et  Petite Flûte
1 Hautbois I  et  Flûte à coulisse
1 Hautbois II  et  Cor Anglais
1 Clarinette I en Si♭, en La  et   Petite Clarinette en Mi♭
1 Clarinette II en Si♭, en La  et Clarinette Basse en Si♭
1 Basson

1 Cor en Fa
1 Trompette en Ut
1 Trombone

1 Batterie
 2 Timbales
  Petite Timbale en Ré
  Cymbale suspendue
  Wood Block
  Tambour
  Tam-Tam
  Grosse Caisse
  Eoliphone
  Fouet
  Crécelle à manivelle
  Le livre de bois
  Triangle
  Wind Chimes
  Cymbales Antiques en La#
  Xylophone

Chœur [16 Solistes]
 4 Sopranos
 4 Contraltos
 4 Ténors
 4 Basses
16名の声楽アンサンブルがソリストを含めオペラの声楽部分の全てをこなします。

1 Célesta  et  Piano
オリジナルのLuthéalやHarpeその他の音色を実現するため、これにSynthétiseurを加えたヴァージョンもあります(実のところ稿はそちらのSynthétiseurありで書いたのでしたが、ラフォルジュルネの一公演45分という制限からセッティングの所要時間不足が懸念されたため急遽このCélesta&Pianoヴァージョンを追加編曲したのでした。だから、二通りのスコアができ上がっていると訳なのです)。

2-4 Violons I
2-3 Violons II
2-2 Altos
1-1 Violoncelle
1-1 Contrebasse  (5 cordes)
弦の人数は、
左がびわ湖(ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団)、
右が金沢(OEK)の時のためのもの(ossia譜によ
Pultが増えた分の加筆が若干ある)。

以上、声楽16名
オーケストラ20または23名、総勢36または39名。

上記の「Célesta&Pianoヴァージョン」制作時とリハーサル時に幾つかのの修正もあり、それらを含め、校訂済の以上のスコア二種の完全版原稿は、現在、高橋喜治が所有しています。

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子供と魔法(ラヴェルのオリジナル)編成表

2 Flûtes
1 Petite Flûte
2 Hautbois
1 Cor Anglais
1 Petite Clarinette en Mi♭
2 Clarinettes
1 Clarinette Basse
2 Bassons
1 Contre-Basson

4 Cors en Fa
3 Trompettes en Ut
3 Trombones
1 Tuba

打楽器奏者はティンパニ奏者を入れて5名必要。
 2 Timbales
 1 Petite Timbale en Ré
  Cymbales
  Wood-Block
  Tambour
  Tam-Tam
  Grosse Caisse
  Eoliphone
  Fouet
  Crécelle à manivelle
  Triangle
  Râpe à fromage
  Cymbales Antiques en La#
  Flûte à coulisse
  Xylophone

Célesta
Harpe
Piano (Luthéal)

声楽パートはソリストが8〜21
(楽譜番号140からの獣のソロも入れれば23)人、その他に童声合唱、混声合唱を要する。

Violons I
Violons II
Altos
Violoncelles
Contrebasses  (5 cordes)

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